ウクレレテナーサイズ?ギタレレサイズ?小さなギター製作 


ギタレレって、どんなサイズ?
お店では弾いた事有りますが、まともにしっかり弾いた事はないかも。
あっ、うちに有るミニストラトが弦長470mm位なので、そう変わらないかな?

ちなみに、ギタレレとウクレレのテナーサイズはほぼほぼ同じです。(430mm程度)

そんなミニギターの製作依頼を大切な友人からいただきました!!

気合い入れて作ります!!(気持ちに余裕が有れば完成後に自分用も作りたい)


モールド作り、製材

まずは図面を探してモールド(枠)をこさえます。
演奏性を考えると、やっぱ12fジョイントよりも14fジョイントの方が良いと思いますので、それで進めていきます。

製材もします。
ウクレレっぽいギターですが、ギターっぽい材で組みたい!そう思います。


アウチ!!

コロナのワクチン1回目摂取でおかしくなったかな?
ソプラノサイズでモールド作ってました。

いやいや、、、この日の夕方にワクチン打ったので、ワクチン摂取は無関係です。
(関係ないですが、1回目の摂取で翌日の夜に38度超えの熱が出ました。ジムニーのマニュアルも、かなりきつくて超大変。大きな声では言えませんが、クラッチを踏んで『次2速』と言って息子にシフトを動かしてもらったりw)

テナーサイズで作り直します。


ソプラノとテナーと結構大きさ違いますね。

製材は厚みしかいじってなかったのでセーフ!!
本日、切り出しました!!

曲げる時に割れそうな・・・。

つづく・・・


曲げ&接着

サイド板を曲げます。
曲げ初めて気がつきました。

『あれ、、、これって、、、アールがきついからギターよりも大変なんじゃ?』

そうなんですよね。

板厚が同じだとしたら、断然難易度がUPします。

かと言って板厚はあまり薄くしたくないです。

なので、水風呂に浸しておき、それを曲げました。

なんとか割らずに曲げられました。
今は材料が高額ですので一安心。
下手したらサイドの材料代だけで、ものによっては買えちゃうくらいなんですが、
それって、なんだか変ですよね。

カーフィング(のりしろ)材とブロック二つを貼り付けて、トップ&バックの製作に移ります。

大きくても小さくても手間も難易度もそう変わらないもんですね。
仕上げ工程なんかに入ると膝の上で作業出来るのは良いのですが(笑)

つづく・・・


箱になった!!

トップ、バックのブレーシングを貼って、サイドと合体させていきます!
ブレーシングの写真はトレードシークレットです(笑)

まずはトップを貼ります。実はバックから貼った方が、サウンドホールからみた接着剤のはみ出しなんかも拭き取れるので綺麗に見えます。でもトップに接着剤が固まるのは僕的にはそっちの方が嫌なので、トップを貼って、はみ出た接着剤は綺麗に除去します。よって、バックはやや接着剤がはみ出ちゃう事が多いですが、気にならない程度です。

バックを貼り、はみ出た材をカットしました。

ギター製作の時はサウンドホールを先にカットしてますが、ウクレレサイズのギターなので後からカットします。
なんで?僕なりの色々考えた結果です(笑)

穴開けるの楽しみ!!

でもブレーシングがカツカツの位置に入ってますので、計算通りじゃなかったら最悪の事態が!!

つづく・・・


何が出るかな?

そんな心境で、穴を開けます。

いや、穴の前に穴の周りの溝を切削します。
この溝の中に樹脂製の飾りを入れますが、サウンドホール周りの割れ止めにも貢献してくれてるとか、してくれてないとか(笑)
裏に割れ止め入ってますので、無くても大丈夫なんですけどね。

いよいよです!!

無事に予定通りの位置にブレーシング(裏に貼ってある木材)が有りましたね(笑)

飾りを入れます。
僕はやっぱりシンプルに作りたい様です。(あっ、もちろんご相談の結果、『シンプル』にする事になってます)

5枚入りまーす。

接着後は、トップのスプルースまで削って・・・。

ここまでが今日の予定でしたが、勢いづいたのでバインディングの溝なんかも切削!!
バインディング無しも悪くないですが、『アイボロイドで入れたいなぁ』と。

つづく・・・


ボディが出来た!

ボインディング溝の修正をして、バインディングを巻いて、削って・・・。
ボディが出来ました!!

サウンドホールが分厚く見えるのは、補強板のためです。

バインディングはアイボロイドです。
画像では分からないかもですが、細かなストライプの入ったものです。

シンプルですが、手を抜いた感じは一切ないかと思われます。

サイズから来るのかな?ボディ完成の喜びからかな?
なんだか非常に可愛い!!

トップ板をタップしてみると箱ではなく、既に楽器を感じますよ!!

これで半分くらい出来たかな?って位ですが、鳴るのが非常に楽しみです。

つづく・・・。


ネック製作

カーボンロッドを仕込みます!

ざっくりカットします!

ヘッド裏のなんじゃこれ?

仕上げは最後にやりますが、こんな感じでダイヤモンドボリュート仕様に!
ここで何時間もかかっちゃいましたが、これは譲れない!
(でも自分のには付けないかもw)

ネックとボディの接合部分のR合わせが大変そう・・・。
つづく・・・。


ボディとネックの接合部分のすり合わせ

写真にしちゃうとこんな感じの事なんですが、仕込み角やら左右の振れやら、ボディのアールやら・・・。
まぁこの接合部分の合わせが非常に大変でした。
ギターだと、ボディがデカイのでこの部分は実はフラットなんです。
ウクレレサイズとなると、フラットとはいきません。
ちょっとのアールに泣かされました。
あ、そうそう!ゴツいカーボンロッドも仕込みましたので、反りの心配はないはず!!そう信じてます!

そしてこれから、『かなり好きじゃない』フレット溝のカットを終わらせるのを目標に頑張ります!ノコギリはアメリカから取り寄せたMade in japanです。
日本でも買えるんでしょうけど、刃の厚みなんかを考えるとフレット溝用に使われているのを買うのが一番手っ取り早いので仕方がないですね。
あんまり好きじゃない理由は、かなりの精度で切らないとダメな事を20回近くもやらなきゃいけないからです。

さぁ、がんばるぞ!!

つづく・・・


仮組みと指板完成

ネックの接合部分の調整をやり直して、仮組みしてみました!
なんでやり直し?通常サイズのギターと同じ感じの仕込み角度にすると角度が付きすぎる感じなので、そこの修正です。
でも先の事を考えてやや寝せておりますので、弦高調整で困る事はないはずです。
ジョイント方法はトレードシークレット(笑)

先日、『嫌い』と書いたフレットの溝切りは無事に終えてますよ!
ポジションマーク入れの細かなルーティングは好きな作業だったりします。
ひょっとして、電動工具を使うのが好きなのかも!?

ポジションの位置はめちゃくちゃ迷いましたが、エレキや鉄弦アコースティックと同じ感じにします。
と言うのも、こちらの主様はエレキ弾きでも有るので、クラシックギターのポジション位置は僕と同じで戸惑うはずです(笑)
OMー28の様な、さりげないお洒落な感じで入れさせていただきました。
材質はMOPです。(←最近は海外通販がNGです)
(サイドポジションは分かりやすい様にフルで入ります)

トラブルもなく、失敗もなく、良い感じに進んでます!!

つづく・・・。


ブリッジ製作と指板カット

朝からブリッジを切ったり削ったり。
木片から形になっていくのは楽しいですね。
ただ、ナイロン弦系のブリッジって構造が複雑。
鉄弦のブリッジは作り慣れてるけど、ナイロン弦用は不慣れ。
でも、だからこそ楽しい(笑)

良い感じに完成しました。いや、仕上げや弦を通すの穴を開けてないのでまだ完成とは言えないかな。

それから、それから、、、
ネックとボディを接合する前に、指板を仕上がりサイズにカットしてネックに貼ります。
となると、ハイフレット部分のフレットは打っておいた方が後々良いかな。

物を作ったり、改造したりって時は、
『今これをやって、次に大変にならないか?』そこを考えて進めれば大概上手くいきますね。

つづく・・・。


合体!?

ネックにヘッドの突き板と指板を貼りました。
フレットはハイ部分のみ先打ちしてます。

指板を貼ったら、ネックシェイプを整えられますね!
ボリュートも仕上げの段階です。

残りのフレットを打って合体!!
でもこれは塗装前の仮組みなので、一時的な合体です。

コレ!浮いてますが、そういう設計です。
先々のメンテナンスを考えて、ネックリセットを容易に出来る構造です。
色んな事を考えると、ここの隙間はかなり絶妙なんですよ。
これ位が最適なんです!

バラして塗装です。

つづく・・・


完成まで!!

塗装です。下地は艶が出るくらいしっかり吹いてます。
でもセミグロスで仕上げます。

ヘッドにはロゴを入れました。
形はやっぱり『羽子板』が一番だと個人的には思います。

塗装をしてる間にブリッジを仕上げます。
位置を確かめたり音程のピッチや弦間のピッチを確かめたりして、穴開けをしました。
このブリッジ、シンプルですが結構手が込んでるんですよ(笑)

いきなりですが完成です!!
ペグはちょっと奮発してゴールドのゴトーのオープンバックです!軽いのが良いですね。
弦はラベラのGL100用弦。5度上チューニングですが、これが気持ち良いです。

音量は決して大きくはないですが、優しいけど存在感の有る音です。
(でも家族には音が大きいと言われたので遠達性も良好なのかと思われます)

僕にもオーダーをして下さる王子様が来た!!
そんな訳で、弾かせていただきました。

本当に有難うございました!!
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ご用命、ご閲覧有難うございました!!

見てね!!